今回の記事はブレイクアウト解説の3つ目、具体的なエントリータイミング編。
前回までの記事で
- ブレイクアウトの基本的な知識
- ブレイクアウトが起きる仕組み
- ブレイクのダマシについて
は理解できたと思います。
この記事では実践編として、具体的なエントリーのタイミングを解説していきます。
ブレイクアウトでのエントリーは大きな利益を取れる可能性がある反面、ダマシにあう確率も高いです。
ダマシにあう原因の多くはブレイクが確定していないのにエントリーするから。
あるポイントを押さえればブレイクアウトでのエントリーの成功確率は上げることができます。
それでは解説していきますね。
ブレイクアウトのエントリータイミング
前回の記事で、ブレイク後すぐに仕掛けのはタイミングとしては早すぎる、という話をしました。
支持線・抵抗線を抜けてからすぐに仕掛けるのは、タイミングとして早すぎます。
早すぎるブレイクアウト判断は大抵、失敗に終わりますからね。
支持線・抵抗線付近では売り買いの攻防が起こる、という話をしました。
なかなか抜けない価格帯ですからね、抜けないと読む投資家の注文と、その価格帯を抜けると読む投資家の攻防があるわけです。
支持線・抵抗線が強力であればあるほど、その価格帯で止めようとする力が働きます。
大多数の人がそこで反転する注文を出しますから。
ただし、支持線・抵抗線での力関係が崩れるときが必ず来ます。
堤防を決壊させようとする力と守ろうとする売買の攻防があるので、
超えたり押し戻されたり、という動きは必ずあるわけです。
その動きの最中に我慢できなくなって飛びつくから失敗するわけです。
支持線・抵抗線がブレイクした、と断定できるまではエントリーは控えるべき。
ではどのタイミングでブレイクした、と言えるのでしょうか?
それは支持線・抵抗線を超えたあとの押しや戻りで判断していくんです。
ブレイク後のロールリバーサルで仕掛ける
支持線・抵抗線の付近では値が行ったり来たりを繰り返します。
売買が集中することによって、売り買いの攻防が起きるからです。
ですが、そこを超えたからといって一気に値が傾くか?というとそうではありません。
一時的に抜ける“ダマシ”と呼ばれる値動きの可能性もあるわけです。
このブレイクが本当のブレイクかどうかを見極めるポイントは、ブレイク後の押し・戻りです。
ブレイクした後、支持線・抵抗線となっていた価格で再度反発するかどうかで、ブレイクかどうかを判断します。
元あった支持線・抵抗線が新たな支持線・抵抗線となる「ロールリバーサル」と呼ばれる転換のサイン
一旦ブレイクした支持線・抵抗線まで価格が戻り、その価格がまた新たな支持線・抵抗線となるんです。
ブレイクした動きがダマシの場合、価格は元あった価格レンジまで戻ります。
ですが、ブレイクが本物である場合、価格は新高値新安値をつけに行きます。
新高値新安値をつけにいく際の基点となるポイントがロールリバーサル後の支持線・抵抗線になるわけです。
新たな支持線・抵抗線から反発し、価格が新安値・新高値をつけに動き始めたタイミングがブレイクアウトのエントリータイミング。
ブレイク後のエントリーのカギになる動きがロールリバーサルというわけ。
支持線・抵抗線の役割転換です。
ブレイクアウト後にエントリーできるかどうかは、ロールリバーサルによって新たな支持線・抵抗線の存在を確認できるかどうかなんです。
ブレイクはボラティリティの高まる時間帯にしか起きない
ブレイクアウトのエントリータイミングはロールリバーサルによって基点となる支持線・抵抗線が確認できたとき。
そしてもうひとつ、ブレイクアウトでエントリーする際に考慮しなければいけないポイントがあります。
それが「ブレイクが起きた時間帯」
基本的にブレイクアウトはボラティリティの高まる時間帯しか起きません。
何度も止められている支持線・抵抗線を超えなければいけませんから、一定量の出来高は必要になってきます。
出来高は売買数量のことを指しますが、為替市場で正確な出来高は把握できません。
出来高は把握できませんが、市場参加者が増え、取引が活発になる時間はあります。
市場参加者が増えるということは資金の流入量が増えるということ。
資金量が増えるということは必然的に出来高も増える、ということです。
では、為替市場で取引量が増えるのはいつでしょうか?
それは欧米のインターバンク市場がオープンしたときです。
インターバンク市場とは「銀行間取引市場」とも呼ばれ、金融機関同士が取引を行う市場のこと。
つまり、欧米の金融機関が取引を開始する時間のことを言います。
銀行って昼間しか開いていないですよね?
欧米地域でもそれは同じ。
欧米地域の昼間からが為替市場の中でもっとも取引量が増える時間帯なんです。
ヨーロッパ・アメリカの金融機関やヘッジファンド、機関投資家なんかが参加してくる時間帯。
この2つの地域の投資家たちが動かす金額はとんでもなくデカイ金額。
それこそ相場を動かすほどの莫大な資金を動かしてきます。
ブレイクアウトは何度も止められている価格を超えなければいけませんから、多額の資金が投入されなければ簡単には突破しません。
相場を動かすほどの多額の資金を動かすプレイヤーたちが参入して来ない時間帯では基本的にブレイクしないんです。
欧米の金融機関が取引を開始する時間なので、日本では夕方。
日本時間の夕方6時がロンドン時間で朝9時になります。
ロンドンの9時を回ると欧州の金融機関が取引を開始する時間。
ここから為替市場のボラティリティ(変動の大きさ)は急激に高まります。
世界一の資金量を誇る投資家たちが参入してきますからね。
ブレイクアウトでエントリーするなら、この時間帯からの動きを見てからです。
ボラティリティが低い時間帯ではたとえブレイクしたとしても”ダマシ”の可能性が高くなりますから。
それにブレイクしてもロンドン市場がオープンしてから逆行する、という動きはしょっちゅう起こります。
ぶっちゃけ見るのはこの時間帯だけでいいです。
実際、僕もロンドンオープンしてからしか値動きを見ていません。
それ以外の時間はダマシが多いですから。
相場の方向性を決める欧州・米国勢の投資家が参入してからチャートを見るべきなんですよね。
ブレイクアウトのタイミングを逃しても気にしないこと
具体的なエントリーのタイミングについて解説して来ましたが、そこまで複雑なルールではなかったと思います。
- ブレイク後の押し・戻りを待ってから仕掛ける
- ボラティリティの高まる時間帯からのブレイクで仕掛ける
エントリーのタイミングはこの2つ。
ですが、最後にひとつ大切なことをお伝えしたいと思います。
それは、エントリーのタイミングを逃したことを気にしないこと。
監視している通貨ペアすべてで完璧に入ることはできません。
人間が集中できることには限界があるからです。
何十もの通貨ペアの値動きを完璧に把握することが出来ますか?
少なくとも僕には無理です。
ましてや僕は普通のサラリーマンですし、小さい子供もいます。
一日中チャートを見ているわけにはいきません。
そんな中ですべての通貨の動きを完璧に把握することなど出来ません。
それにチャンスは無限にあります。
マーケットはとんでもなくでかいですからね。
1度や2度のチャンスを逃したところでまたチャンスは巡ってきます。
だから1回2回トレードのタイミングのがしたところで別にいいんですよ。
トータルの利益はそんな変わらないです。
1000回トレードするうちの1回や2回。
影響は微々たるものです。
そんなことを気にして新しいトレードチャンスを棒に振るほうがもったいない。
タイミングを逃すことは当たり前にあること。
大事なのは切り替えです。
この世界で勝ち続けていくってのはそういうこと。
当たり前にある失敗や機会損失をいかに早く切り替えて次のトレードをものにできるかなんです。
ブレイクアウトのエントリータイミング、参考にしてみてくださいね。
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