ヘッドアンドショルダーは転換のシグナルとして広く浸透しているチャートパターン。
ですが、転換シグナルとはいっても確実なものではありません。
「ダマシ」はもちろんあります。
この記事では「ヘッド・アンド・ショルダー」の”ダマシ”について解説していきます。
ダマシを防ぐポイントは2つ。
これさえ抑えておけばトレードで「ヘッド・アンド・ショルダー」を有効に使えるでしょう。
ヘッドアンドショルダーのダマシ
以前、ヘッドアンドショルダーがなぜできるのか?を解説しました。
ヘッドアンドショルダーが形成されるには市場心理が深くかかわっています。
ヘッドアンドショルダーは転換パターン。
ですが、ヘッドアンドショルダーを形成したにも関わらず価格がもとのトレンド方向に延びることがあります。
市場の状況は常に変わっていますからね。
転換のチャートパターンを形成したからといって100%転換するわけではありません。
本当に転換するかどうかの見極めが必要。
見極めが悪ければ「ダマシ」にあうことになりますからね。
ではどこでその見極めをするか?
それが「ネックライン」と呼ばれる価格帯での動きなんです。
ヘッドアンドショルダーのネックライン
ヘッドアンドショルダーには「ネックライン」と呼ばれるものがあります。
ネックラインとはヘッドアンドショルダーの基点となる水平ライン。
ヘッド(山)のふもとにあたる部分ですね。
このネックラインがベースになって3つの山を形成するわけです。
ネックラインは土台となり、価格を支えているライン。
そのラインを下に抜けて行くことで均衡が崩れ、価格は下落、
トレンド転換につながるということです。
つまりこの「ネックライン」こそ、ダマシを防ぐためにみるべきポイント。
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]ネックラインを明確に突破するのか?
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]突破しようとして戻されるのか?
この見極めがダマシを防ぐ一番のポイントなんです。
ダマシを防ぐポイント
ダマシを防ぐにはネックラインを超えるかどうかの見極めが大事。
その見極めをするポイントは”2つ”
- 終値で見る
- ブレイク後の再反転
この2つを確認できてはじめてトレンド転換と断定できるわけです。
1:終値で見る
まず前提として僕の場合、日足や週足しか使いません。
日中の動きはノイズが多く僕のようにスキマ時間しか取れない人には不利です。
日足や週足は1日単位、1週間単位でローソク足が確定するのでチャートに張り付く必要がありません。
1日の動きを頻繁に確認する必要はありませんからね。
で、1日単位の動きを見る場合”終値”ですべて判断します。
終値はその日、ニューヨーク市場の取引終了の価格で確定します。
日中の動き、アジア・オセアニア・ロンドンなど主要な取引市場の動きをふまえた上で確定する価格なわけです。
つまり、終値が確定していない限りはブレイクかどうかは断定できない、ということ。
アジア・オセアニア時間やロンドン時間でブレイクしたとしてもニューヨーク市場の取引終了にかけてブレイクの動きが続かないのであれば、その動きはダマシである可能性は高いです。
止められていた価格をブレイクしたにも関わらず価格が伸びていかない、ということは止められていた価格帯での反対売買の力の方が強い、ということ。
その日の引け(取引終了時間)にかけてブレイクした動きが押し戻された時点で”ダマシ”と考えたほうがいいです。
なので、ブレイクしてすぐ仕掛けるのは早すぎます。
終値まで待って、終値がネックラインをブレイクして初めてトレンドの転換の可能性を考えるわけです。
2:ブレイク後の再反転
もうひとつ大事なのは、ネックラインをブレイクした後の動きです。
終値でブレイクして初めて“転換の可能性”といいました。
ネックラインをブレイクしたにも関わらず”ダマシ”に終わる動きのひとつに
「ブレイクの数日後に元のトレンド方向に伸びる」
というパターンがあります。
ブレイク後、その日の中で価格が戻り、ダマシに終わるパターンと、
ブレイク後、数日後に戻ってダマシに終わるパターンがあるわけです。
その際に見るべきは”ネックライン上での動き”です。
以前解説しましたが、何度も反転している価格帯を抜けると、その価格帯はまた新しい支持線・抵抗線として機能する傾向があります。
ロールリバーサルと呼ばれるもの。
つまり、ダマシを防ぐにはロールリバーサルによる支持線・抵抗線の役割転換を確認する必要があります。
ネックラインが本当に市場にとって意識されているラインなのか?という点を見極めなければいけないということです。
ブレイク後、一旦戻り、再度ネックライン上で反転を確認することが”ダマシ”を防ぐ2つ目のポイント。
ダマシを防ぐには焦らないことが一番大事
ヘッド・アンド・ショルダーのダマシを防ぐポイントは2つ。
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]終値でブレイクしているかどうか?
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]ブレイク後ネックラインが機能しているかどうか?
この2つに共通する大事なことがひとつあります。
それは”焦らないこと”
ヘッドアンドショルダー形成からネックラインブレイクですぐに仕掛けるようなことはしない、ということです。
特にヘッドアンドショルダーのような知れ渡っている反転パターンになると、必ずといっていいほど売買の攻防があります。
ヘッドアンドショルダーの場合は「ネックライン」での攻防。
ネックラインはヘッドアンドショルダーを形作る基点となるライン。
ネックラインをベースにパターンを形成しますから、当然この価格帯では均衡を保つ買い注文と下落を誘発する売り注文が入ります。
ここでの動きによってトレンド転換するのかダマシに終わるのかが決まるんです。
なので買いと売り、どちらが強いのかを見極めてからの仕掛けが「ダマシ」を防ぐ秘訣。
方向性が確定する前に仕掛けるようなことはしない、ということです。
ブレイク後、すぐにエントリーして逆行する大きな原因は”焦り”。
ただ気持ちはわかります。
動きを逃したくないと感じるのは、人間の心理ですから。
逆に大衆心理がそうなっているということは、そこを狙われても仕方がないです。
こちらの記事でも解説していますが、大衆の焦りを利用することによって大口投資家は利益をあげます。
価格がどう動いたら、人がどう考えるかはもうバレています。
だからトレード前には一歩引くんです。
この動きは本物のブレイクか?ダマシか?
この判断ができるまでは仕掛けるべきではありません。
そこを見極めるのがブレイク後の動き。
「ダマシにいつも引っ掛かる・・・」
という人は参考にしてみてくださいね。
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