こんにちは!渡辺です。
今回の記事では大きな買い物の際、現金で払うほうがいいのか?それともローンを組んで現金は投資すべきなのか?という点を深掘りしていこうと思います。
果たしてどちらのほうが効率的でしょうか?
その答えを出すのはぶっちゃけ簡単な計算でOKです!
要は“入ってくる投資利回りと出ていく金利の差”がプラスになっていればいいだけ。
小学生でもわかる
- 足し算
- 引き算
- 掛け算
- 割り算
程度の単純な算数で十分です。
増える金額に対して払う金額の割合はいくらか?
入ってくるお金>支払う金利、という図式になれば時間が経つごとに勝手に資産は増えていきます。
では詳しく解説していきますね。
投資利回りとは?
まずはじめに“投資利回り”について。
投資利回りは、投資家にとって非常に重要な指標です。
この「利回り」とは簡単に言えば「投資によって得られる利益率」のこと。
いくら投資していくら利益が出るのかっていうのをパーセンテージで示したものです。
ここがプラスになるように投資していかないと目減りするだけなので投資の意味がない。
だまって現金で持ってたほうがいいです。
(厳密に言えば現金の価値も目減りしていくので投資に回したほうがいいんですが)
簡単に利回りを計算してみます。
例えばあなたが10,000円投資したとしましょう。
1年後11,000になっていました。
このときの”利回り”は10%です。
計算すると「(利益÷投資した金額)×100=投資利回り」という式になります。
先程の例だと、1,000(投資利益)÷10,000(投資元本)で0.1。
で、この0.1に100をかける(%に変換する)と”10″という数字が出ます。(0.1×100)
これが利回りです。
年間で10%資産が成長したよってことです。
ね?単純でしょ?
ではここからが本題。
この単純な数字からローンの金利を引けば実質的な利回りが計算できるわけです。
利回りから支払う金利を引く
投資による利回りは入ってくるお金だけではなく、出ていくお金も計算に入れなければ手元にいくら残るか、実施的な利回りを計算できません。
で、その出ていくお金はローンの金利に該当します。
大きなところでは
- 住宅ローン
- 自動車ローン
あたりでしょうか。
教育ローンやクレジットカードなんかもありますよね。
家電製品とかケータイなんかも今はローン組んで買えます。
分割払いにして払いやすくするもの。
まぁ要はお金借りて払って少しずつ返していく買い方ですね。
で、ここで重要なポイント。
お金を借りて払っているわけですから返すときにいくらか”利子”をつけて返す必要があるんですね。
お金を貸す方も商売ですからただで貸すわけではないです。
上乗せなしで貸したところで貸す側にメリットないですからね。
それなら自分で持ってたほうがいいです。
貸してもいいけどいくらか上乗せして返してね、それならいいよ、という契約になるわけです。
で、この際の「いくらか上乗せしてね」の部分が”いくら”なのかが超重要!
この上乗せ分と投資によっての利回りの差が”利益”になるからです。
投資利回りとローンの金利差を計算する
米国の代表的な株価指数「S&P 500」の利回り
投資の利回りを計算する上で今回は米国の代表的な株価指数である「S&P 500」の利回りを比較対象に計算して行きます。
(株価指数とは簡単にいうと特定銘柄の株価の平均のこと。「S&P 500」は米国の代表的な500社の平均株価。日本だとニュースでよくやってる日経平均とかTOPIXとか。指数についての詳しい解説は別で解説予定)
「S&P 500」に20年前投資し、現在まで持っていた場合の利回りは「約8.0%」
(投資する期間や時期によって変動するため、ここでは8%を例に解説していきます)
何も考えず「S&P 500」に投資し続ければ年利換算で「8%」の利益が得られた計算になります。
この”8%”という数字をベースに生活に必要なローンを加味して実質的な利回りを計算していきましょう。
2023年の住宅ローン金利の平均は0.5%
まずは代表的な例で”住宅ローン”を例に計算してみます。
2023年の住宅ローンの平均は「0.518%」です。
(計算しやすいように0.5%とします)
この数字を「S&P 500」の利回り「8.0%」から引くと「8−0.5=7.5%」となります。
つまり住宅ローンを組んで金利を払っても手持ちの資金を投資に回せば”7.5%”はプラスになる、ということです。
仮にこれを「金利がもったいないから現金一括で払う」としましょう。
現金で払い、投資に回せる現金を持っていないとします。
すると、住宅ローン金利0.5%は払う必要はありませんが、投資に回せる現金を持ち合わせていないので「8%」の利回りは得ることができません。
さて、どちらがお得でしょうか?
金利0.5%であれば、実はローンを組んだほうがお得なんですね。
ローンは借金だから組まないほうがいい、というわけではなく、投資利回りと金利の差を考慮することが大事なんです。
ローンは組むべきか組まないべきかは利回りに対する金利差が大事
ローンを組むか組まないかは投資利回りと金利の差によって決めるべきです。
金利と投資元本に関する関係性が大事。(元本とは投資の元手になる資金のこと)
仮に住宅ローン金利が”3%”だとすると投資利回りは5%まで減ってしまいます。
(S&P 500の投資利回り8%−住宅ローン金利3%)
ですがまだプラスですね。
この時点ではローンを組んで元本を投資に回したほうが良い、という結果になります。
ではこの数字に”自動車ローン”も加えてみましょう。
(自動車ローンはどこから借りるかで金利がだいぶ変わってきます。ここではディーラーローンの金利5%で計算します)
すると、
投資利回り8%−住宅ローン3%−自動車ローン5%=0
となり、投資してもしなくても変わらない、という結果に。
なんですが、ここで重要なのは「インフレ率」を考慮することにあるんです。
【重要】インフレ率も加味した実質利回りを出す
先程の計算で利回り8%に対してローン金利8%だとプラマイゼロになっちゃうよ、という話をしました。
ですがここで「インフレ」を加味する必要があるんです。
(インフレとは物価が上がりお金の価値が下がること。100円で買えていたあんぱんが120円出さないと買えなくなる。これがインフレ)
長い期間で見た場合、年2〜3%の速さでインフレは進行しています。
要は今の100円は1年後98円の価値しかなくなっちゃうよってことです。
昔に比べて明らかに物価は上がっていますからね。
昔は100円で買えていたものが今は100円で買えません。
100円で買えても中身を減らされていたりとか。
この物価が上がりお金の価値が下がる、という点を利回りから引く必要があるんですね。
じゃないと資産は増えてても実際はお金の価値が減る速度のほうが早い、つまり実質的にはマイナスになる、という事態が起こるわけです。
これを引くことで実質的な利回りが出せます。
先ほどの金利差を例に計算すると、
投資利回り8%−住宅ローン3%−自動車ローン5%−インフレ率2%=−2%
となり、赤字になる計算です。
ローンを一切組まない場合でもこのインフレ率を超える利回りがなければいつまで立っても資産額は増えていかないわけですね。
結論:ローンを組むか組まないかは利回りに対する支払い金利+インフレ率
さてここまで解説してきましたが、ローンを組んだほうがいいかどうかは、
利回りに対する支払い金利+インフレ率でプラスになっているか?ここを考えるだけです。
単純な引き算だけでOK。
入ってくるお金から出ていくお金を引き、それがプラスなら投資すればいいし、マイナスならやらない。
単純です。
よくローンは組まないほうがいいとか、金利がもったいないとか、現金で払ったほうがお得だとか言われますが、そういうわけでもないんですよね、実際。
十分な現金を持っていればローンは組まず、生活資金すべてを現金で払ってなおかつ投資にも回せるでしょう。
ですが、大半の人はそこまで大量の現金を保有しているわけではないです。
ローンを組んで現金を保有し、投資に回したほうが効率的な運用になる場合もあります。
投資は元手が多ければ多いほど有利ですからね。
その元手資金を作るために低金利のローンを組む。
単純に支払う金利より入ってくる利回りのほうが多ければ手持ちの現金を元本にして投資に回したほうがずっと賢い選択です。
ここがマイナスになるならやらないほうがいいですが、プラスになるならやらない理由はないです。
時間とともに利回りが自分に入ってきますからね。
ただ持っているだけだと価値が減る現金をどう上手く使うか。
もちろん世の中の情勢によって金利は変動します。
ですが日本は異次元の金融緩和政策を継続中。
ヒジョーに安い金利でローンを組めます。
そして米国の代表的な株価指数である「S&P 500」の平均利回りは8%。
だったらだまって株価指数に投資したほうがいいですよね、ぶっちゃけ。
もちろん今後はどうなるかわかりません。
米国経済や日本の経済、世界経済がずっと右肩上がりに成長するとは限りませんからね。
ただ長期的に見れば経済は成長し続けます。
常に勉強し、もっともいい投資先に投資する。
極論を言えばこれです。
投資に回したほうが良ければ投資に回し、現金で持ってたほうがいいなら現金で持ち、良い投資先が出てくるまで待つ。
逆に言えば、良い投資先に投資するために現金を持っておきたいからローンを組む、という考え。
金利にもよりますが、それがもっとも資金効率が良いです。
なので常に勉強を続け、情勢を把握しておくことは大事なんですね。
そしてこれもむずかしい情報はいらないです。
金利が何パーとか、今の株価がどうとかはちょっと調べればすぐに出てきますから。
それでは今回の記事はここまで。
参考にしてみてくださいね。
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